ひとたびりゅうもんをのぼれば、すなわちせいかひゃくばい
陸奥国盛岡藩第14代藩主〔南部利剛(なんぶとしひさ)公〕が李白の『与韓荊州書』の一文(上記)から『龍門亭』と当館を名付けられたと伝わる。
開湯八〇〇年の歴史を持つ大湯温泉…。
江戸時代にはこの地を治めていた南部藩の保養温泉地として以来、満街道の要衝として多くの文人墨客が来湯しその名湯たる所以が紀行文等に記されております。
当館は南部北家の藩士であった千葉禮八胤虎が、明治維新の藩政奉還に際し南部藩の禄を返上、明治2年当地に旅人宿を開業したのが始まりでございます。
爾来一世紀をも越えて北国の風雪に耐えてきた庭園、そして今もなお滾々と沸き出ずる天恵の温泉が皆様をお迎えいたします。
古えに思いを馳せ、どうぞごゆっくりお寛ぎくださいませ。
6代目館主 敬白
圧倒的支持を受けていたのが男性という当館。これから若い女性のチカラで生まれ変わろうとしています。それは大事にしてきたものがなくなるのではなく、大事なものを引き継ぎ、さらにこの時代にマッチさせていく『進化』です。
この想いを新たに掲げてまいります。子育てに職場に、様々なストレスのなかで心身ともに疲れる日々からのひとときの解放…。ゆったりと、しずかに流れる時間。彩りに包まれるリラクゼーション。染み込む温泉。奥様にご褒美を…。
秋田の良さを、旅館を通じて伝えていきたい。それは、温泉然り、自然然り、そして食も然り。お出しするお料理に使う食材は、本気になって生産する食材のプロたち、出荷品に愛情すらも持たれるホンモノの人たちへの尊敬と信頼のなかで、直接お会いして仕入れています。
調理されてしまえば、料理としてしか見られません。しかし、それまでの間に数ヶ月、数年という期間をかけて育てられる食材があり、数百年に渡って伝わってきた食のレシピがあります。生産者さんと料理人の真剣勝負が、実は毎日繰り広げられているのです。